退職

現役人事が語る!退職後のお金【vol.1】

どーも、@さとりです。

仮想通貨を始めて、仕事があほらしくなって退職を考える人ってすごく増えたように思うし、実際に界隈のインフルエンサーの方も退職してたりしますよね。

でも、勢いに任せて退職するのは怖い、どうしようと不安になってしまうのが人間です。

退職した後のお金については、検索をかければたくさんの記事がヒットしますが、ジャンルごとに分かれていていくつものサイトを回らないと欲しい情報が手に入らないようになっています。

しかも結構話が難しくて、会社員でも知らない人がほとんどだと思うんですよね。
知っていればお得な話なのに勿体無い…。

そこで今日は会社を退職した後の「お金」がどうなるのか、という点について現役人事部員である僕が社会保険や給与業務の実務経験を活かしてできるだけ詳細に解説していこうと思います。今回は第一弾として社会保険について見ていきます。第二弾では、雇用保険や住民税などについて解説します。

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退職したら何が変わる?

会社を退職したら、何が変わるのか。一般的でかつ主要なものを3つあげてみました。

  • 社会保険(健康保険・厚生年金・介護保険)
  • 雇用保険
  • 住民税

想定条件は、①給与+賞与で年収は4,180,000円(265,000*12+1,000,000)、②給与以外に収入無し、③僕と同じ年代の28歳、④退職日は3/31とします。

※今回は正社員の方が退職した時を想定して書いていますので、取締役などの雇用関係にない方や各種制度未加入の方については参考にならないのでご注意を。

社会保険(健康保険・厚生年金・介護保険)

サラリーマンの社会保険は健康保険・厚生年金・介護保険の3つから成り立っていて、給与から控除されている保険料はあなたの給与などから算出した標準報酬月額を元に決定されています。

標準報酬月額:4・5・6月に支払われる給与等の報酬を合算して3で割った平均額を一定の金額幅の等級に当てはめた、月額保険料算出の元とする金額のこと。

①健康保険

<会社所属時の健康保険料について>

日本は海外諸国と比較しても社会保障が手厚い国と言われていて、日本国民は生まれたその時から全員が健康保険証をもらって、3割負担や2割負担で病院にかかることができるようになっている代わりに毎月保険料を支払っています。

そのベースになっているのは国民皆保険と言われる制度で、1961年に改正された国民健康保険法で日本国民は全員が何らかの医療保険に入ることが義務づけられるようになりました。
健康保険には、①国民健康保険、②政府管掌健康保険、③組合管掌保険、④船員保険、⑤共済組合などの種類があり、その保障内容はほぼほぼ変わりませんが保険料の計算方法は①とそれ以外は大きく違っています。

さて、会社に属している人は毎月の給与から健康保険料として一定額が控除されています。その保険料率は加入している健康保険組合によって違いますが、保険料の決め方はどこも同じです。

また、保険料の負担割合は本人と会社とで折半になっています。(厳密には違います。大抵会社側が多めに負担してくれています。)

ここで、検索して見つけたNTT健康保険組合の保険料月額表を見ながら、さらに解説していきましょう。

まずこの表の見方ですが、報酬月額が4・5・6月の給与等の報酬の合算を3で割った平均額を指しています。
例えば、3ヶ月平均で報酬額が265,000円だった方はこの表の健保等級では20に該当し、その標準報酬月額は260,000円となります。

またその場合、毎月の給与から控除される健康保険料は表をそのまま右に移動して、11,856円となります。

自身の保険料の算出方法がわかったところで、先ほど触れた「大抵会社が多めに負担してくれている」という点についてですが、NTT健康保険組合が定めている保険料率を参考にして本来かかっている健康保険料を算出してみましょう。

被保険者負担金額:260,000*45.6/1,000=11,856円

事業主負担金額 :260,000*47.1/1,000=12,246円

実際の健康保険料:11,856+12,246=24,102円

 

どうでしょうか、意外と会社って頑張ってくれています。笑

・保険料は一定の金額幅を持つ標準報酬月額を元に算出されている

・実際にかかっている健康保険料は給与控除額の約2倍で、会社が半分くらい負担してくれている

<会社退職後の健康保険料について>

前提はここまでにしておいて、実際に退職したら健康保険はどうなるのか見ていきましょう。

退職すると、それまで入っていた組合での健康保険の資格を退職日の翌日付で喪失します。前述したように、日本国民は国民皆保険制度のもと、全員がいずれかの医療保険に加入しなければなりませんので、退職日翌日から別の健康保険に入る必要があります。入ることができる健康保険は大別して、①国民健康保険②任意継続保険になります。(例外として、家族の扶養に入るという選択肢もあります。)

①自分の住んでいる市区町村で国民健康保険に入る場合

国民健康保険に入る場合、自分の住んでいる市区町村の保険年金課に行って、手続きをすることになります。

手続きの際に必要となるのは、健康保険被保険者資格喪失証明書です。これがなくてもいける市区町村は問い合わせ等の経験からして、あるにはありますが、喪失証明書があったほうが確実かつスムーズに手続きに移ることが出来ます。
ちなみに喪失証明書がなくてもいける場合というのは、所属していた会社の健康保険組合や人事部宛に所属確認の連絡がきて、そこで「〇〇さんはいつ退職して喪失しています」という証明を口頭で担当者と交わすといった感じなのですが、正直この電話がかかって来ると会社側は他の業務が止まってしまい、また役所での応対時間も長くなってしまうので、喪失証明書が退職時に必要だということをしっかりと伝えておくほうが(人事担当者としては)助かります。。。

健康保険被保険者資格喪失証明書:加入していた健康保険組合名や被保険者番号、被保険者氏名、扶養している家族の情報、資格喪失日などが記載された書類。国民健康保険に切り替える際にほぼ必須と言っていい書類で退職時に会社の担当者にあらかじめ必要な旨を伝えておくと良い。

さて、3/31付で退職した場合は、資格喪失日が4/1ですので、その日から健康保険に入ることになりますが、続いて気になってくるのが、保険料です。

先ほど国民健康保険とその他の健康保険では保険料の計算方法が違うことについてちらっと触れましたが、大阪市の国民健康保険を例に詳しく見ていきましょう。
大抵の市区町村で保険料の算出をする際には、前年における総所得金額を使います。
会社に所属していた時は4・5・6月の給与等の報酬を平均して算出した標準報酬月額を元に毎月の保険料を算出していましたので、ここは大きく異なる点です。

一応これが大阪市の国民健康保険のH29年度保険料を示す表なんですが、見にくいですよね…。
大阪市が出している試算用のエクセルシート使ってみて比較してみましょう。
平成29年度年間保険料の試算シート(XLS形式)はこちら

こちらのシートでは世帯主やその他の加入者の年齢と総所得金額を入力することで、おおよその試算ができます。
試算には先ほどの想定条件を使いましょう。

①給与+賞与で年収は4,180,000円(265,000*12+1,000,000)
②給与以外に収入無し
③僕と年代の近い28歳
④退職日は3/31

年齢区分を28歳が該当する「39歳まで」を選択、総所得金額は年収から給与所得控除額を引いたものを入れるので、給与所得金額速算表を用いて(265,000*12+1,000,000)*0.8-540,000=3,343,946となるのでそれを入力すると、

出ました。1ヶ月あたりの国民健康保険料は33,656円となりました。(平等割とか細かいのは放っておきましょう。)
会社に所属していた時が11,856円だったことを考えると、その差は毎月21,800円で、年間にすると261,600円の差にもなりました。

辞めてすぐフリーランスとして仕事がある人、またはアフィリエイト報酬がしっかりある人はいいですが、無職でこの金額と考えると、高いですね…。

 

②任意継続保険に加入する場合

もう1つの方法、任意継続保険を見ていきましょう。

任意継続保険は退職時に属していた会社が入っていた健康保険組合によって行われている制度で、一定の条件を満たせば2年間限定ですが退職時の標準報酬月額を引き継いでこれまで通り健康保険に加入することができる制度になります。

「2年間」という期間が定められているのは、「いつまでも面倒は見てあげられないし、その間に就職するよね?だからそれまでは待ってあげる。」という暫定的措置の意味合いが強いのではないかと僕は思っています。

NTT健康保険組合では任意継続保険について以下のように書かれています。

先ほどの会社所属時の標準報酬月額を引き継いだとすると、1ヶ月の健康保険料は24,102円になりますね。

国民健康保険と単純比較するとその差は毎月9,554円、年間で114,648円になります。

この結果からすると、退職した際には国民健康保険に加入するのではなく、任意継続保険に入るのがお得と言えそうですね。
実際に住んでいる市区町村での結果とは違う可能性がありますので、必ず関係各所(健康保険組合や市区町村)に試算または問い合わせすることを非常にオススメします。

また今回の計算からは簡略化の観点から、賞与支払い時の保険料については省略しましたが、それも含めると差はもう少し縮まることが予想されます。

・会社所属時の健康保険と退職時の国民健康保険の保険料計算方法は違っている為、これまでの控除額を単純に倍にした保険料とは差が出ることが多い。

・2年間だけの限定付きだが任意継続保険に加入する方が金銭的にはお得だと言えそう。

②厚生年金

2つ目の厚生年金について見ていきましょう。

厚生年金保険料も健康保険料と同じで、標準報酬月額を元にして保険料を計算しています。
健康保険料との違いは、①保険料率が一律、②会社と完全折半している、という点です。

まず①保険料率が一律という点ですが、それぞれの加入している組合によって保険料率を設定できる健康保険と違い、厚生年金は日本年金機構が一元管理して保険料率を定めており、現時点での厚生年金保険料率は18.3%となっています。(年金制度の改正を受けて、平成16年から段階的に保険料率の引き上げが行われていましたが、平成29年9月を最後に18.3%で固定されています。)
続いて②会社と完全折半しているという点ですが、文字通り本人負担:会社負担=1:1ですので会社に勤めている方であれば、9.15%ずつ負担しています。
標準報酬月額が260,000円だとすると、毎月の給与控除額および会社の負担額はそれぞれ
260,000*91.5/1,000=23,790円です。

また、厚生年金は健康保険と同じタイミングで喪失しますので、4/1付で資格喪失します。
また、厚生年金には健康保険のような任意継続というような仕組みはありませんので、全員が国民年金保険に強制的に加入することになります。

国民年金保険料は日本年金機構のWebサイトから確認することができます。

なんと、月額の国民年金保険料は16,340円となっていて、働いていた時と比べて月額で7,450円、年間で89,000円も安くなっています。
さらに前払い制度があり、2年前納で15,650円の割引を受けることができます。

「なんだ、退職しても割安でお得なんじゃん!」って思ってません?

これにはカラクリがあるんです。

そもそも厚生年金は国民年金とは別です。

日本の年金制度は2階建てと言われていて、国民年金の上に厚生年金が上乗せされているのが現状です。

厚労省HPから引用しました。

会社から給与をもらっているサラリーマンは、厚生年金に入っていますが、別名で国民年金第2号被保険者と呼ばれています。みなさんが思っている国民年金は別名基礎年金とも呼ばれていて、それのみに入っている人は国民年金第1号被保険者と呼ばれています。

ちなみに国民年金第3号被保険者ってのもありますが、これは2号被保険者の扶養に入っている配偶者のことで、保険料を支払わなくとも将来の年金額の計算の際には支払ったものされる優遇制度のことです。ここでは特には触れません。
話を戻しますと、サラリーマンは国民年金+厚生年金の両方に入っているため、支払っている保険料が国民年金のみの人よりも高いのです。
そしてこの支払う保険料が何に影響するかというと、将来受け取ることができる年金額に響いてきます。

もちろん支払う保険料が少ないほど、将来の年金額は少なくなっていきます。

僕には力不足で、将来の年金額の試算までは難しすぎてできませんが、日本年金機構のねんきんネットで資産することが出来ますのでぜひ使ってみてください。
年金額の試算をするならねんきんネットから

まあ、仮想通貨で爆益を得たであろう人は将来の年金額なんて最早誤差でしかないように思いますけどね。笑
ちなみにですが、年金の手続きも国民健康保険と同じように市区町村の保険年金課に行けば同じタイミングで切り替えの手続きができるので、一石二鳥です。

・退職したら支払う年金保険料は少なくなる可能性が高い。

・ただし、将来受け取れる年金額も比例して減少するので注意。

③介護保険

社会保険シリーズの最後は介護保険ですが、こちらは保険料を払うのは①被保険者本人が40歳以上であるとき、②被保険者本人は40歳未満だが、自身の扶養に入れている家族が40歳以上のときに、保険料支払い義務が発生するので今回想定している年代は対象にはならないかなと思うので、端折ります。笑

28歳に設定した理由としては、仮想通貨の主なユーザー層は20代が非常に多いと感じているからです。少なくとも40代でやっている人は極少数で、やっている方はセンスあるなぁって思っています。
少しだけ解説しておくとこちらも標準報酬月額を使って会社と保険料を折半しているので、退職すると会社が負担していた分も負担するというのは健康保険料と同じですね。
こちらはだいたい月数千円くらいがのしかかって来るという感じですが、市区町村によって算出方法は異なるので高くなることもしばしばです。詳細はお住いの市区町村のホームページをCheck!!
需要があれば別の機会にでも書きます。笑

まとめ

いかがだったでしょうか。専門的な言葉には注釈を入れて解説しました。
少し難しい内容もあったと思いますが、理解できるまでしっかり読み込まれることをお勧めします。

質問も受け付けますので、ぜひ読んで見てくださいね!

今回はここまで!以上@さとりでした。